
院長野田尚孝
大学卒業後、福岡大学病院第二外科に入職。大学病院や関連病院の外科で修練し、デンマーク・コペンハーゲン大学王立病院外科へ留学。帰国後、福岡大学病院消化器外科部長、福西会病院消化器外科部長、同病院副院長を歴任。2024年、それまで勤務医として培った技術や知識を生かして地域医療に貢献するため、のだクリニックを開院。日本外科学会外科専門医。
粉瘤(ふんりゅう)は早めの治療が大切
皮膚のできものはお気軽にご相談ください
勤務医時代は消化器疾患を中心に多くの手術を経験してきました。現在は、発熱や風邪、インフルエンザといった一般的な内科疾患から、不眠やめまい、倦怠感のお悩み、便秘、下痢などの排便障害まで幅広く対応し、地域の皆さまの健康な生活を支えています。診察で心がけているのは、病気だけを診るのではなく、患者さまご自身を診ること。そのため、私はもちろん、スタッフ全員が患者さまのお話にしっかり耳を傾けるよう日々努めています。
また、外科の第一線で培ってきた技術を生かし、粉瘤の治療、傷の縫合、痔の手術などにも力を入れています。粉瘤は体中のどこにでもできる良性の皮下腫瘍で、皮膚にある微小なくぼみの中に垢や脂がたまってしこりになります。放置すると徐々に大きくなり、炎症や感染のリスクも高くなるので早めの治療が大切です。当院では体表部エコー検査で患部を診断し、大きくなったものは局所麻酔での日帰り手術を行っています。皮膚のできもので気になるものがあれば、そのままにせずお気軽にご相談ください。
検査・診断を大切に
皮膚のできものは粉瘤のほか、脂肪腫、ニキビなどいろいろ。しっかり検査して、それぞれに合った治療を行います。
2つの治療法に対応
粉瘤の症状によって、皮膚を切って行う「切開法」か、小さな穴を開けて行う「くり抜き法」かを選択して手術を行います。
プライバシーに配慮
女性の患者さまには女性スタッフが必ずついて細かく気配りするなど、プライバシーに配慮した診療を心がけています。
STEP1「皮膚のしこりの評価とエコー診断」
粉瘤は、外見だけでは判断するのは難しい疾患です。紛らわしいものとして、脂肪腫、嚢腫性ざ瘡(にきび)などがあり、特にざ瘡は治療法が異なるため、術前の検査がとても重要です。当院では皮膚のしこりを正確に診断するために体表部エコー検査を行います。これは、超音波プローブを皮膚に当て、腫瘤の状態を画像として確認するものです。
STEP2「手術」
エコー検査の結果から、適切な手術法(切開法・くり抜き法)を選択して手術を行います。まず皮膚を消毒して、局所麻酔注射を行います。麻酔注射の痛みが極力ないように、細い針を用いて麻酔をします。「切開法」では、皮膚を切開して、しこりを包む袋を含めて摘出します。「くり抜き法」の場合は、しこりのおへそ部分を小さくくり抜いたのち、しこりの内容物と一緒に袋を摘出します。
STEP3「止血、保護」
止血を確認した後、皮膚を縫合します (「くり抜き法」の場合、部位や傷の大きさによって、縫合しないこともあります)。また、大きな粉瘤は傷が開かないように、そして傷跡がミミズ腫れのように肥厚することを予防するために、皮膚の深部組織の縫合を追加することもあります。手術後は、傷口を清潔にして、治りを良くするため皮膚保護材で被覆固定します。
STEP4「病理検査」
粉瘤は基本的に良性腫瘍ですが、ごくまれに悪性腫瘍(皮膚がん)になってしまうことがあります。そこで当院では、摘出した粉瘤を、病理検査に提出します。病理検査は、摘出した組織を顕微鏡で詳しく観察し、良性腫瘍であるか、それとも粉瘤以外の疾患や悪性腫瘍であるかどうかを判断する検査です。およそ1~2週間で結果が判明します。
STEP5「傷の確認と検査結果の説明」
粉瘤の手術後は傷の状態を確認し、ケアするために来院していただきます。縫合している場合は、その時に抜糸します(抜糸のタイミングは、粉瘤の大きさや縫合の仕方などによって異なります)。また、ご来院時に病理検査の結果についても、丁寧にご説明します。このように手術後最低1回は受診が必要ですが、その後はこれまで通りの生活を送っていただけます。
のだクリニック
福岡市地下鉄七隈線 金山駅
福岡市地下鉄七隈線 野芥駅
福岡市地下鉄空港線 西新駅